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スクラムフェス金沢2026参加レポート:一般参加から運営へ。コミュニティで自分らしく貢献できる『居場所』を見つけた話

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記事サマリー

これまで一般のゲストとしてスクラムフェスの熱気を感じてきた私が、今度は「支える側」の運営メンバーとして飛び込み、内側から見渡した景色とそこでの深い学びを綴った体験記です。

  • 未知の「運営」への一歩:「自分なんかが……」と足踏みしていた状態から、いかにして勇気を振り絞り、運営という新たな挑戦の愉しさに辿り着いたのか。

  • 心理的安全性と自己の役割:輝かしい実績のなさに気後れしていた心を溶かしてくれた、フラットで包容力に満ちたチーム。その温かな環境の中で、自らの居場所を見出していく軌跡。

  • 自律を支える組織の妙:強固な「アライメント」と徹底した情報の透明性。指示を待たずに各自が動ける仕組みは、現場のスクラムチームを支援する上でも本質的な気づきを与えてくれました。

  • サードプレイスとしての真価:あらゆる文脈が混ざり合う「ごちゃまぜ」の一体感。仕事でも家庭でもない、情熱で繋がれるコミュニティの魅力を改めて定義します。

「特別な何者かでなくても、好奇心一つで誰かの光になれる」。コミュニティへの参加を一歩踏み出せずに迷っているあなたの背中を、そっと押せるようなメッセージを込めています。

はじめに

こんにちは!株式会社メンバーズの橋本です。普段はスクラムマスターとして現場に携わっています。
先日6月19〜20日に、熱気に包まれた「スクラムフェス金沢2026Open in new tab」が開催されました。

私はこれまで2回、一般の参加者としてこのスクラムフェスに参加し、そのたびにコミュニティからたくさんのエネルギーと学びをもらってきました。今回はそこからさらに一歩踏み出し、初めて「運営メンバー」という立場で参戦してきました。いつも温かく迎えてくれるこの場所を、今度は自分たちの手で「支える側」として盛り上げてみたい。そんな思いからの挑戦でした。

スポンサーブースを支えてくれた新岡さんと

一般参加の視点とは異なる「運営」から見渡した景色。そこでのリアルな体験や、『なぜ私たちがこの場所を職場でも家庭でもない「もうひとつの場所」として愛してやまないのか。』その理由をレポートに綴ります。

※各セッションの具体的な内容は、他の方々の素晴らしい発信に委ねることとします。本記事ではあえて特定の演目には触れず、「運営という内側から見えてきたイベントの深部」にフォーカスした視点でお届けします。
なお、開催概要等の詳細は公式サイトOpen in new tabをご確認ください。

そもそも、なぜ「運営」に飛び込んだのか?

過去のスクラムフェス(金沢や仙台など)への参加を通じて、私はこのコミュニティの持つ力に強く惹きつけられていました。「いつか自分も、この素晴らしい輪の一部になりたい」「何らかの形で恩返しをしたい」。そう願いつつも、心のどこかでは「自分なんかが……」と足踏みしていたのも事実です。

そんな私の背中を優しく押してくれたのは、前回の懇親会で語り合った運営メンバーの言葉でした。スクラムフェスは、初心者もベテランも関係なくフラットに混ざり合える場所。そこで聞いた「まずは自分のできる範囲から小さく始めればいい。小さな挑戦なら、失敗を恐れずに学びを得られるから」という考え方は、まさに目から鱗でした。

これは、私たちが大切にしているアジャイルの核心、すなわち「経験主義」そのものですよね。

不確実な計画に頼るのではなく、まずは小さく動いて「経験」を掴み、そこから適応していく。この精神がコミュニティ運営という「人」が主役の場にも息づいていることに感銘を受け、挑戦を決意しました。

サーバントワークス様提供の「経験主義」グッズ!

今年の2月、Discordで「当日スタッフが不足しそう」という投稿を目にしました。「今しかない!」と勇気を振り絞り、内心ではかなりドキドキしながらも、「何かお手伝いできることがあれば参加させてください」と手を挙げたのが、すべての物語の始まりでした。

気後れ、そして包み込まれる安心感

正直に言えば、参加を表明した直後から不安が押し寄せていました。

「おとなり福井の在住でリモートの準備しかできない自分に、果たせる役割があるだろうか?」
「周りは界隈でも活躍されている方々ばかり。足手まといになってしまわないか?」

しかし、そんな杞憂は参加した瞬間に吹き飛びました。

現運営の皆さんは初参加の私をあたたかく迎え入れてくれ、「可能な範囲で大丈夫ですよ」「定例も無理せず、都合がつくときでOK」と、私の状況を最大限に尊重してくれたのです。「何か特別な貢献をしなければ」と勝手にハードルを上げていた自分に対し、「ただそこにいてくれるだけで価値がある」という包容力のある空気感に、心から救われました。

Discordでの対話、Miroによるカンバンでのタスク可視化など、準備の仕組みも洗練されており、リモートでもスムーズに動けました。タスクも「義務」ではなく「自分がやりたいこと・できそうなこと」を拾うスタイル。何気ない気づきの共有も立派な貢献として認められる。そんな心理的安全性の高い環境が、準備期間を楽しいものに変えてくれました。

では、具体的にどのような体制で準備が進んでいたのか。次に、運営チームを支えた「アライメント」の仕組みについてお話しします。

共通の目指す姿があるからこその「自律」

運営の定例ミーティングを重ねる中で、特に際立っていたのが強固な「アライメント(方向性の整合)」でした。

対話を通じて、このフェスでどんな体験を届けたいのか、どんな場にしたいのかという熱量や「ありたい姿」がメンバー間で深く共有されていきます。この確固たる「目線合わせ」があったからこそ、当日の運営は細かな指示を待つことなく、各自が「今、何をすべきか」を判断して動くことができたのだと確信しています。

よく「運営の動きが自律的だ」と称賛されますが、それは個々の能力の高さはもちろんのこと(実際、皆さん素晴らしいです!)、事前の深い対話によるアライメントと、情報の透明性が極めて高いからこそ成立しているのです。これは現場のスクラムチームを支援する上でも、非常に多くの示唆に富む学びとなりました。

「ごちゃまぜ」が引き起こす化学反応

スクラムフェス金沢の真骨頂は、やはりあの「ごちゃまぜ」な一体感にあります。

技術的なナレッジにとどまらず、地域や福祉、防災といった社会課題へのアプローチまで、多種多様な文脈が混ざり合います。学生と熟練のエンジニアが対等に向き合い、OSTではベテランが情熱を語り、学生の斬新な視点に刺激を受ける……。

たくさんの方が参加してくれて会場は大盛り上がりでした!

キーノートで語られた「誰かからの評価ではなく、自分の『好き』を貫ける場を守り続ける熱量」は、まさにこの場の本質を突いていました。ここには営業的な「圧」は一切ありません。たとえ競合する企業同士であっても、互いを一人の探究者として尊重し、純粋に学びを分かち合う。これこそが、多くのエンジニアがここをサードプレイスとして愛してやまない理由なのだと、内側から体験して改めて確信しました。

スポンサーブースでも「ごちゃまぜ」の化学反応が

「何者」でなくても、誰かにとっての光になれる場所

運営として関わって痛感したのは、このコミュニティが「一握りの特別な才能を持った人のための場所ではない」ということです。

「自分には何ができる?」。かつての私と同じように、そんな不安を抱えている方もいるかもしれません。でも、心配はいりません。この輪に飛び込んでみれば、自分でも気づかなかった特性や、誰かの役に立てる瞬間が必ず見つかります。

「最初から役割が分かっていなくても、この場所に行けば、自分の居場所が自然と見つかる」。

それは、運営と参加者の垣根が限りなく低く、それぞれの「やってみたい」が等しく大切にされる文化があるからです。特別な何者かになろうとしなくていい。「面白そう」「もっと関わりたい」という素直な好奇心さえあれば、ここは最高に温かく迎え入れてくれる場所なのです。

訪れた「奇跡のような縁」と、これから繋がる未来

当日は、トラブルさえもチームで楽しむ、まさに学園祭のような熱気でした。受付担当者がセッションを視聴できないとなれば誰かがサクッと簡易視聴セットを構築し、ポスターが剥がれれば皆で工夫して直す。そんな瞬間一つひとつが、コミュニティの結束を強めていました。

サクッと構築された簡易視聴セット

最終的にテープ止めになったポスター

余談ですが、今回の運営で一番驚いたのが、実行委員代表と私が実は幼少期にご近所さんだったことが判明したことです(笑)。まさに「縁」を感じずにはいられない、忘れられない体験となりました。

運営を通じて得た最大の教訓は「人を頼る勇気」です。

何でも一人で背負おうとしていた自分が、少しずつ「これ、手伝ってもらえますか?」と声をかけられるようになり、周りがそれを快く引き受けてくれる。この圧倒的な安心感こそが、スクラムフェスという場の魔法なのだと思います。

おわりに:コミュニティという「場所」の美しさ

今回の運営体験を通じて、改めて「場」が持つ力のすごさを実感しました。

それは、美味しいものに出会ったときや、美しい景色を眺めたときに感じる「誰かと共有したい」という素直な気持ちと似ています。

金沢という街も、歴史と現代が心地よく混ざり合い、訪れる人の心を解きほぐしてくれる魅力的な場所でした。スクラムフェスもまた、参加する一人ひとりが自分らしくいられる、心温まる場所です。

最後になりますが、今回出会った金沢の象徴的な風景を添えて、このレポートを締めくくりたいと思います。

JR金沢駅の「鼓門(つづみもん)」

世界で最も美しい駅の一つに選ばれたこともある、金沢の象徴的な風景です。金沢駅に着いたときは暑くもなくお天気も良かったのですが、やはり「弁当忘れても傘忘れるな」と言われる土地柄、滞在中は金沢らしい空模様にも出会いました。

鈴木大拙館の「思索空間」

何も遮るものがない空間で、自分自身と向き合う贅沢な思索にふけってきました。静寂の中で仏教哲学者・鈴木大拙の世界観を堪能できます。

石川県立図書館

円形劇場のような圧倒的なスケールの書架は、まさに本の聖域。こちらも非常に素敵な空間で、立ち寄るだけでも価値がある場所でした。

もし今、あなたが迷っているなら、ぜひその一歩を踏み出してみてください。7月の仙台、そして大阪と、スクラムフェスの旅は続いていきます。私たち経験者が全力でサポートしますので、安心して飛び込んできてください。

あなたと一緒に、新しい「場」を創り上げられる日を楽しみにしています!

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この記事を書いた人

橋本 純一
橋本 純一
小学生時代にBASICに出会いソフトウェア開発の楽しさを知ってしまう。20数年間開発者として様々な開発に従事した後、2020年にメンバーズに中途入社。スクラム開発の素晴らしさに触れ、もっとたくさんの人に知ってもらいたいという思いから、2022年認定スクラムマスター資格を取得。現在はスクラムマスターとして、スクラムの導入支援や社内のアジャイル文化醸成に取り組む。
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