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【第4回:瀬良氏登壇】AIコーディングは「自律型エージェント」へ。日本CTO協会主催 新卒エンジニア合同研修レポート

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はじめに

こんにちは。
2026年新卒で入社致しました北川 晃汰と申します。
現在参加しているCTO研修での学びや気づきを、社内外へ積極的にアウトプット・共有することを目的に執筆しました。

台風の接近に伴い、急遽Google Meetを利用した完全オンライン開催へと切り替わった今回のセッション。しかし、そんな悪天候を吹き飛ばすかのように、エンジニア陣による熱いインプットとアウトプットの場が幕を開けました。

今回の登壇者は、OpenAIでSDK開発や日本国内のDevRelをリードされているデベロッパー エクスペリエンス エンジニアの瀬良 和弘氏。セッションは、最先端の自律型エージェントアーキテクチャを学ぶ「濃密な技術講義」と、制限時間60分の「実践的なチームハッカソン」の2部構成で行われました。本レポートでは、瀬良氏による講義の要約と共に後半のワークで私たちが挑戦した「チームハッカソン」の模様をお届けします。

パラダイムシフトを遂げるAIコーディングの進化

瀬良氏の講義では、ソフトウェア開発におけるAIの役割が、単純な「受動的なプロンプトへの返答」から「複雑かつ非同期なワークフローの自律実行」へと根本からシフトしている現状が語られました。では、この「自律実行」へのシフトとは、具体的にどのような進化を指すのでしょうか。講義では、AIエンジニアリングの進化の歴史を以下の「3つのフェーズ」に分けて解説されました。

AIエンジニアリングにおける「3つのフェーズ」

  • <フェーズ1>コード補完
    1行単位〜関数単位の自動補完

  • <フェーズ2>インタラクティブなペアプログラミング
    チャットを介した対話的なコードの相談・修正

  • <フェーズ3>自律型エージェント
    タスクのゴールを伝えるだけで、AIが自律処理

AIエンジニアリングの進化の歴史

Codexアプリと強力な文脈(コンテキスト)管理

AIエージェントを動かすツールとして、Codexは、Codex CLI、IDE Extension、Codex appなど複数の環境で利用できます。しかし、講義の中で瀬良氏が特に推奨したのは「Codexアプリ」の活用です。このアプリの導入により以下の2つの課題の解決に繋がります。

  • 複数プロジェクト/スレッドの並行管理:
    Codexアプリでは、複数のプロジェクトやスレッドを並行して扱うことができます。これにより、コードレビューからコミットまで画面を煩雑にすることなく一元管理することができます。

  • コンテキストの「自動圧縮機能」:
    エージェント開発における最大の壁「トークン数の上限(コンテキストの管理)」を改善します。長時間のコーディングでもAIのワーキングメモリを軽量・正確に維持し、高いタスク実行精度を保ち続けます。

自律型エージェントを制御するフレームワーク設計

ここでは、制御が難しい自律型AIに対して「いかに決定論的な境界線(制限)を設け、信頼できる開発ツールに仕立て上げるか」という実践的なアプローチが解説されました。

▼Codexが持つAI制御の仕組み

[メインエージェント]
    │
    ├──► AGENTS.md / ルールの制限
    │
    ├──► Skills    / タスクをパッケージ化
    │
    └──► Subagents / 専門のAIに仕事を分担させ、結果をまとめて回答

コンテキスト設定ファイルによるルールの制限

Codexは、リポジトリ内に配置された標準的なMarkdownファイルを読み込むことで、プロジェクト固有のルールを読み込み、作業方針に反映します。

【AGENTS.mdの使い分け】

  1. グローバル:PC全体や共通の開発環境構築のヒントなど、全体一律のルールを定義

  2. プロジェクト/ディレクトリ:各プロジェクト特有の個別ローカルルールや、そのディレクトリ固有の制約を定義

【Testing/PR Instructions】
テストコード生成時に満たすべきカバレッジや、自動PR作成時のアーキテクチャ記述ルールを規定

エージェントの「Skills」vs「従来のスクリプト」

講義の中で瀬良氏は、「Skills」と「従来のスクリプト」の違いを次のように解説しました。

分類

得意なタスク

具体例

Skills

文脈に応じた柔軟な推論・状況判断

対象(Markdown/Python)を
AI自身が判断し、
処理を自律変更する

スクリプト

挙動が固定的・直線的な定型処理

ファイル名の一括置換
決まった形式のデータ抽出など

Skillsの真の価値は、「モデルに毎回検討させる必要がない操作」繰り返し使う手順や判断基準)をあらかじめパッケージ化しておくことにあります。

開発時にこの Skill.md を必要なタイミングでのみ呼び出すことで、AIのメモリ(コンテキスト)の浪費を劇的に削減できます。これによりノイズを排除し、エンジニアが「本当に出力してほしいもの」をピンポイントかつ正確に出力させることが可能になります。

Subagentsの並行処理とDockerによる安全なサンドボックス環境

ここでは、自律型エージェントの運用において重要な「並行処理による利便性」と「実行環境の安全性」の2点が提示されました。

【Subagentsによる大幅な時間短縮】
複雑なバグ調査などを処理する際、Subagents(子エージェント)を生成し、デバッグやリファクタリングを並行して分担させることができます。他の作業を同時並行して進められるため、全体の処理時間を大幅に短縮できる点が非常に強力です。

【Dockerによる安全なサンドボックス環境】
エージェントにコマンドの実行やファイル編集権限をそのまま与えることは重大なセキュリティリスクを伴います。そのため、エージェントを作成・実行する際には、隔離されたDockerによる安全なサンドボックス環境で動作を確認できます。コードのコンパイルやテスト実行などはすべてこのコンテナ内で完結するため、本番のホスト環境へのリスクを減らし、安全にタスクを実行・検証できる仕様になっています。

実践的なユースケースと学習リソース

講義の締めくくりとして、Codexを実際の開発現場に組み込む際の具体的なユースケース(活用例)が提示されました。特に以下の2つの機能は、開発生産性を大きく向上させるものとして注目されます。

【高精度な自動コードレビュー】
コードの変更に対して、自律型エージェントが非常に高い精度で自動コードレビューを実行し、レビューコストを削減します。

【ドキュメント陳腐化の自動防止】
ソースコードの変更にあわせて、プロジェクト内部のMarkdownマニュアルを自動更新します。これにより、開発現場で頻発する「コードと仕様書の乖離(ドキュメントの陳腐化)」を防ぐことが可能になります。

チームハッカソン

技術講義を終え、参加者はランダムなチームに振り分けられ、60分間の開発スプリントへと突入しました。チームハッカソンでは、各チームごとに話し合って異なるテーマを決定し、Codexの機動力を活かしたプロトタイプ開発に挑戦しました。その中で、Codexについて気づいた点は次の3つです。

  • 一つのシンプルなプロンプトから初めて、自分の満足のいくコードを作れること

  • ステップ・バイ・ステップで、丁寧に考えてくれること

  • 生成したコードに、アクセス許可の設定ができること

実現したいルールをシンプルなプロンプトにして入力すると、エージェントの強力なコード生成能力により、短い時間で次々とプログラムが形になっていきました。そして、生成された結果をチーム内で共有しお互いにレビューし合いながら、Codexのリファクタリング機能をフル活用することでコードをさらに良くしていく、次世代のチーム開発プロセスを体感する場となりました。

成果発表

60分間のチームハッカソン終了後は、ランダムに選ばれた5つのチームによる成果発表が行われました。各チームの特色豊かなアウトプットの数々を目にし、AIエージェントの強力なサポートがあれば、個人やチームがこれほど短時間で、爆速でプロダクトを形にできるのだと実感する貴重な機会となりました。

研修を終えて

今回の研修は全体を通じて、単に知識を学ぶ場にとどまらず、AIエージェントの強力さを実感する場となりました。実際にCodexに触れてエージェントコーディングを体験し、その具体的な活用方法を考える実践的な機会が得られたと感じています。

AI時代においてエージェントの能力は日々向上しており、エージェントコーディングが日常化しつつある今、今回の研修で学んだことは今後の開発にも直結する非常に有意義なものになりました。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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この記事を書いた人

北川 晃汰
北川 晃汰
2026年にメンバーズに新卒で入社いたしました。技術の習得のみならずプロフェッショナルとしての思考法を身につけるべく、日々邁進しております。
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